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切嶋蘭の挑戦 第二話 ~三が日に飛んだ男~

私、切嶋蘭。その日その日を無責任に生きる今時のIT系派遣社員。Wiiのバイオハザードを買ったけど、怖くてディスクを入れられないヘタレゲーマー♪ かわいいっしょ?
「そもそもあなた、PS版のバイオハザードも「窓から犬が出てきた」という理由で投げ出したわよね? なんで買ったの?」
いちいちうるさいこいつは、イトー○カドーのレジ打ち女、久能浩子。
「GC版のデキが良すぎて、プレミアついて手に入らなかったから?」
「市場に振り回されて散財するバカ消費者の典型ね。ところであなた、ライブドア事件の偽メール問題で議員辞職した永田寿康氏が飛び降り自殺したわ」
「三が日だというのに…。なにも、国民のめでたい気分に水を差さなくてもいいのにさ」
「あんたは喪中なんだから、正月気分を自重したほうがいいわよ」
そういえば、去年最後の祖母が亡くなったのだ…。何気なく鷲宮神社に初詣とかいっちゃったけど…。
「まったく、あなたのオタク魂には呆れるばかりだわ。どうせ、らき☆すた関連グッズとか買っちゃったんでしょ? らき☆すた桐箱とか、グッスマのねんどろいどおみくじとか」
「やけに詳しいわね、浩子」
「そんなことどうでもいいわ。それより永田元議員よ」
浩子は、缶コーヒーを飲んだ。ダイドーのミルクコーヒー。いつもこればかり飲んでいる。
「気になるのは、永田議員の偽メール問題以降、民主党の売国行為が露骨になってきたってことね」
「最近では、韓国政府に政権交代の支援をお願いするくらいだものね」
「かつての民主党支持者も、この当時は「政権交代の必要性」などといって、積極的に民主党を支持していた気がするわ。私の周りでも、民主支持者が多かった気がする。特に小泉政権が長期化して、行政改革がどうも怪しいと思い始めた人は、総じて民主党を支持していたわ」
レジ打ちのくせに、めんどくさいことを考えてるなぁと思いつつ、私は浩子の話を聞き続けた。
「この事件以降、徐々に民主党内の旧社民党的な性格が顕著になってきたわ。もともと、当時の民主党代表の岡田克也氏も親韓派だけど、今ほどおかしくは思われなかった。時代もあるわね。岡田代表の時代は、世は韓流ブーム。テレビに四六時中韓流タレントの顔が映されてた時代。その反動で世間がブームに疑問を持ちはじめたのが前原代表の頃だから」
恥ずかしながら、私もうっかり冬ソナとか見て「チェ・ジウかわゆす^^」とか言ってた過去がありました(照)。
「民主はそれ以前から、吸収した社民党議員の影響で、親韓であった可能性もあるってことね。ドブに捨てるつもりで韓国に経済支援を行うつもりで、また税金もろくに払ってない在日半島人に選挙権を与えるとか言い出してる。確かに、在日半島人を取り込めば、今後民主党にとっては盤石な支持基盤になるわ。でも、在日問題については先に解決しなきゃいけないことがたくさんあるはずなのに、全部先送りで権利だけあげるって、スゴイ思考ね。まさに売国思考」
「日本人がアメリカに住んで、アメリカに税金を払っていたとしたって、アメリカ国籍を持っていなければ参政権はない。これはアメリカに限ったことじゃなくて、どの国に行っても一緒」
とかいいつつ、海外なんか一度も行った事のない私なのでした。
「日本の野党くらいね。自国籍を持たない人達に選挙権をあげるなんて。在日半島人は、日帝によって強制的に連れてこられた気の毒な人という前提があるからでしょ。その救済措置だと言っているけど、そもそもその話もウソだと分かったし、ついでに生活保護問題から帰国支援を日本は行ったというのに、結局あの人達は帰らなかった」
「日本にいれば、生活保護を受けて、働かなくても暮らせるんだからね。母国に帰って汗水垂らして稼ぐよりは、日本に居座って国からお金をもらったほうがいいものね」
「生活保護を認可した理由は、在日半島人の就職が困難だったから。これは事実。でも、これは差別の結果ではなくて、戦後の混乱期に半島人が戦勝国民を騙って全国で暴行事件を起こしたから。社会的に欠陥していると思われる人種を、リスク込みで採用する企業なんて、あるわけないからね」
「それを差別だと言い換えて、憲法をたてに騒いでいるわけね」
「もともと日本国民じゃないのだから、日本政府および行政は、彼らを憲法に則って扱う必要もないんだけどね」
浩子は、カラになったコーヒーの缶をテーブルに置いた。
「私が前に勤めたとある大企業は、かつて被差別部落出身者と在日韓国人の就職前に身元調査し、採用しなかったという過去があったからという理由で、現在でも部落解放同盟に「ご指導」されていたわ。彼らは、日本人の引け目と、憲法や人権を理由に、自分たちが被差別弱者と喧伝して、日本人から権利を引っ張りだすことに成功していったわ」
「マスコミの麻生叩きはひどいものね」
「マスコミは、そもそも政権が安定しないほうがいいわけ。未来の予測がつかない世の中になるほど、情報の価値が高まるからね。それに麻生は、ネット住民の支持が高い。彼らは総じてマスコミが嫌いだわ。マスコミが嘘つとわかっているからね。そういう、ネット住民の人気が高い麻生を叩き、引きずり下ろすことで、マスコミはネット世論に勝利宣言ができる。そう思っている節もあるような気がする」
「ネットユーザーだって、全員が麻生支持者じゃないのにね」
「あの人達はステレオタイプにしか考えられないお馬鹿さんだから仕方ないのよ。国民全員が、何も考えずに自分たちが配信する情報を鵜呑みにしてくれる人達であることを願うあまり、先に自分たちが思考停止に陥っているのよ」
「そのマスコミが、民主を押す理由ってなんなのかしらね?」
「アサヒと毎日は思想的な理由ね。読売と産経は比較的中立だけど、さっきも言ったように政情が安定せず、また国民が現政権に不満があるほど、マスコミの存在価値は高まる。だから、前の二社に比べて穏健だけど、自己存在の確立のために麻生叩きに乗ってるっていったところかしらね」
「民主党は選挙で勝つかしらね」
「勝ったら、日本終了だわ。ようやく認知されはじめた在日特権なども、彼らに参政権が与えられてしまえば、手出しできなくなってしまう」
この女、北の将軍様そっくりな顔をして、とんだ嫌韓厨だわ。
「まあ、今みたいな民主党になったのは、あのメール事件が絡んでいるんじゃないのかなと、思ったって話」
「じゃあ、あの偽メールを永田議員にリークしたのは…」
「もしかしたら、民主党内の旧社民党か、そちら側の主義者の誰かじゃないかな、って推測してるのよね。私」
サラッと、怖いことを浩子は言う。
でも、確かに、あの事件で前原代表が降り、小沢代表になって以来、民主党の党意は親韓的になっている気がする。
「じゃあ、永田議員の自殺は…」
「それは、彼自身が社会の現実に耐えられなくなって飛び降りただけだと思うわ。今更、何の力もない永田元議員を殺したところで、旧社民党勢力にせよなんにせよ、メリットないもの」
「まあ、お正月そうそう、あまりすっきりしない事件だったわね」
「永田元議員のご冥福をお祈りします」

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切嶋蘭の挑戦 第一話 ~紋章L~

私、切嶋蘭。その日その日を無責任に生きる今時のIT系派遣社員よ。得意技はコードのコ・ピ・ペ♪
先週末、友達の久能浩子がうちに来たのよ。
「このゲームと勝負して、負けたら言うことを聞いてもらうわ!」
私、結構ゲーム得意だし、浩子みたいなイトー○カドーのレジ打ちに負けるはずないと思ったのよ。で、軽くOKしちゃったわけ。
「で、なんのゲームで勝負するの?」
「これよ」
彼女は、バッグからXbox360の「オトメディウスG」を取り出した。
「言っておくけど私、ルナシューターだし? ブースもらったことをいいことに派遣先のPCに勝手に東方永夜抄インストールして業務時間中遊んでるのよ? それで時給もらってウマウマっていうか派遣やめられないよね? 正社員だったら確実にクビだわ」
「派遣でも見つかったら絶対クビだわ。で、どうするの? この勝負。受ける?」
「私が勝った場合は?」
「老山龍の天鱗出るまで、あんたのラオ狩り付き合うわ」
「いいわ。あんたのアイテムボックスが蒼大爪まみれになっても知らないわよ!」
だけど、渡そうとしたコントローラーを浩子は受け取ろうとしない。
「勘違いしてるようね、ラン。あなたが勝負するのは、私じゃない。このゲーム自身とよ!」
「どういうこと!?」
「やれば、わかるわ」
意味深な笑みを、北の将軍様そっくりな顔に浮かべる浩子。ぶっちゃけ不気味すぎ。
仕方ないので、レッツプレイ。
「な、なにこのゲーム…。同人以下の適当で単調な敵の攻撃、緊張感ゼロのボス戦。繰り返し遊ばないとラストステージに行けない仕様…つうか、これゲーセンだといくら積まないと最終面のアンロックはずれないの? これって搾取?」
「STG初心者でも遊べる仕様にしたんだってさ」
「繰り返し単調で代わり映えのしないステージをひたすら繰り返すだけの仕様のどこが初心者向け…というか、こんなの確実にSTGキライになるわ。いいのは島本須美の「デストロイ ゼムオール」くらい。そして分かったことは、吉崎観音が天才だってことだけ…」
「そう、ゲーム本体はまったく見るべきところがない。オリジナル要素のゴージャスモードも、PSPの実況おしゃべりパロディウスの方がマシってレベルよ。アイディアもセンスも感じられないわ。断言できる。これ作ったヒトってゲーム制作の才能ないわ」
「これなら、イルベロWii買ったほうがマシだわね…」
私は、思わず下唇を噛んだ。
「どうやら、あなたの負けのようね」
「認めるわ…。で、私、何をすればいいの?」
「この地図の場所で、クルマを買ってきてもらうわ」
「クルマ!?」
「お金は私が出すわ。自分で買いに行くのが恥ずかしいから、あなたに行ってもらいたいの」
「買うの恥ずかしいクルマなんて、買わなきゃいいのに…!」
「今、日本の景気は最悪だわ」
浩子は背を向けて、手を組んだ。
「この、消費低迷を抜け出すには、国民一人一人が贅沢な買い物をして内需を拡大して、経済を動かすしかないのよ。だから私は、クルマを買うことにしたの。これは、愛国的行為よ。そう、日本のために! 景気低迷している今こそBuy!」
「浩子より先に私財吐き出した方がいい勝ち組の皆様が大勢いらっしゃると思うけど、日本のためと言われたら仕方ない。私も愛国者だから、従うしかないわ」
というわけで、今、私は浩子に指示されたディーラーの前にいるわけ。
見上げると、「L」のマークが。
レクサス…。なるほど、浩子が「恥ずかしい」と言うのも分かるわ。
「買うなら、マツダかホンダにすればいいのに…。今なら、日産のニューZでも良かったはず。どうして、レクサスなんか…」
ディーラーの中に入る。
「すいませーん。レクサスのクルマを見たいんですけど…」
声をあげても、店員は誰もこない。見渡せば、お客は私しかいない。それなのに、接客しないのかい、この店は…。
何人かは、こっちを見てるが、出てこない。そういえば聞いたことがある。レクサスは、店が客を選ぶのだと。
(そーかい、そーかい。派遣のあたしは応対しないってか)
レジ打ちの浩子なんか、店に入った途端にペイントボール投げられてるところだわ。買うのが恥ずかしいというのは、こっちの意味だったのね。
というか、この不景気の中、未だこんな営業やってるんだね。ご大層なことですなぁ。なんて、やさぐれていると、やれやれといった面持ちで店員が一人やってきた。
「あ、いらっしゃいませ」
立派なスーツを着た、少し半笑いの男が、「今気づきました」といわんばかりに、わざとらしく近づいてきた。なんかムカつく。
「クルマ見せてくれない?」
「ええとですね、裏に停めてある車でいいですか?」
「ショールームの中にもクルマはあるのに、なんで裏に」
「ええ、それは、まあ」
貧乏そうな客にはカタログすら見せない、というウワサは本当だったみたい。
後ろの駐車場には、お客から買い取ったばかりであろう、すこしくたびれた黄色いクルマが置かれていた。
「これなんかどうですか? レクサスのラインナップにも入ってますし」
「アルテッツァ、いいクルマね」
「このクルマをですね…」
店員は、ポケットから銀色に光る物体を取り出した。
「レクサス・チェエエエエエエンンジイイイイイイ!」
おもむろにそう叫ぶと、メッシュの部分にその銀色の何かを取り付けた。見れば、Lのマークがデザインされた、レクサスのエンブレムだった。
説明しなければならない!
レクサス・チェンジとは、既存の車種をLマークのエンブレムをつけることで200万も値をつり上げてしまうという、まさに現代の錬金術のようなトヨタの必殺技である!
「ふふふ、これでこのアルテッツァも、立派な日本最高の高級ブランド、レクサスのクルマですよ」
「これでいいわ」
「えっ!?」
自分の買い物じゃないし、この不愉快なお店にいつまでもいたくなかったので、この辺で手打ちにしておいた。買うのは浩子だし、ま、いいかってカンジ。
「アルテッツァ買ってきた」
「レクサス行ったんじゃないの?」
「レクサス行ったよ。だからアルテッツァ。ISなんて、派遣社員をコキ使って作ってるだけのヘボクルマだから、ぶっちゃけ前の型のほうがいいわよ。軽いし、フットワークいいし。無駄な装備をムリヤリ積んだ大きなエンジンで走らせるISなんかより、乗ってて全然楽しいと思うよ」
「んじゃ、いっか。レクサスのエンブレムもついてるなら」
「レクサス・チェンジしたから大丈夫よ」
「レクサス・チェンジ!?」

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