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車が売れないなら自分で買いますなトヨタ

日経新聞で若者のクルマ離れ、その本質は「購買力」の欠如~派遣など不安定就労社会のツケがきたなどという、刺激的なコラムが掲載されました。

自動車が売れないのは他の贅沢品(携帯やPCなど)に若者の興味がうつったのではなく、企業が若者の労働力を安く買いたたいたせいだ、と、大マスコミがようやく言ってくれることとなりました。

今までの記事は、広告主に配慮したのか、「携帯電話が普及したせいで車が売れなくなった」などと、そもそも競合にすらなるのか怪しい理論が展開されてきましたが、年末年始の派遣村の件なども含め、ようやくこの事実を認めざるを得なくなったようです。

一方で、トヨタは部長級以上2200人に自社の車を「自主的に」購入することを「お願い」したそうです。

なんつーか、とうとう現物支給かってカンジがしなくもありませんが、これで「愛社精神」が示せると思っているのだから、トヨタの社員もどうかしています。まあ、部長以上になると経営責任もとらされるので、アル意味罰ゲームなのだろうな、という気はしなくもありませんが。
記事中によると、役員の多くはセコッちく「ヴィッツ」や、去年の日本カーオブザイヤーを受賞したIQを注文しているとのこと。
だいぶ微妙な忠誠心の示し方です。
奥田会長が松の廊下で斬られたとしても、仇討ちにいく役員は一人もいなさそうですな。フフン。

しかし、2200人が150万円ほどの小型車を買ったとしても、33億円の売上げになるのですから、スゴイ話です(社員割引など適用されると思うので、実際の額は大きく下がると思いますが)。

トヨタといえば、昔建築関係の友人が言っていた冗談に「トヨタホームとパナホームは潰れない。あぶなくなったら、たくさんいる社員や関連会社の人間に買わせればいいだけなんだから」というのがありました。
その当時は笑い話で済んでましたが、こうなるとむしろクルマで良かったねと言わざるを得ません。

このような話はどこの業界でもある話ですが、しかし「社内優待販売」という、本当に当人の意志によって購入するかどうかを決められるのが普通です。
ちょっと違うかもしれませんが、私の会社では、社員がサイトを持っていた場合、自社のサイトへのアフェリエイトを貼るようにと推奨されています。しかし、ごらんの通り、私は張っていません(というか、会社の人は誰もこのブログを知らないので…)。

そのように、自社に対する経済活動にしても、ある程度自主性が重んじられるのが普通です。今回も報道を見る限り、自主性を重視し、当人の意志で購入しているようですが、しかし部長級ともなれば、前田慶次のようなキャラクターで認められている人でもない限り、なかなか「オレは買わない」とは言いづらいでしょうね^^;

しかし。

例えばこのような形で、社員の懐から売上額を「拠出」したからといって、なんになるのでしょう?
確かに、今期の売上数字は伸びるかもしれませんが、このような報道が出てしまった場合、ちょっとお利口な方なら「今期の売上げのうち、30億は自社買いか」と、引いて考えるのではないかと思うのですが…。

あと、これは奈良トヨタで実際にあった話ですが、ディーラー認定の修理工場が、強制的にトヨタ車を購入させられていた事件がありました。

★奈良トヨタ:修理会社が提訴「自動車購入強制された」

取引継続の見返りとして自動車購入を強制されたとして、奈良県御所市の自動車修理会社が25日、
奈良トヨタ自動車(本社・奈良県田原本町)に約4765万円の損害賠償を求め、奈良地裁に提訴した。
奈良トヨタの菊池攻社長は現在、県公安委員長を務めている。

訴状によると、修理会社は05年3月、奈良トヨタの下請けとして板金修理を請け負うようになった。
06年10月までの間、奈良トヨタ側から「車を購入すれば取引を継続する」などと言われ、車13台を
計2690万円で購入した。このうち11台を奈良トヨタの県内各店舗で代車として利用、自賠責保険や
任意保険は修理会社側が負担した。

奈良トヨタとの取引額は05年9月ごろ月500万円を超えたが、修理会社は車購入を徐々に渋るようになったため、06年12月に奈良トヨタから取引停止を通告された。

取引停止の理由について、奈良トヨタ側は修理会社社長(38)による奈良トヨタ従業員への暴力を挙げているが、修理会社社長は「奈良トヨタは取引の優越的地位を利用し車購入を強制した。
下請け業者への物品購入強制を禁じた下請法に違反している。暴力を振るった事実はなく、取引は不当に打ち切られた」と主張。奈良トヨタ側は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。

ちなみに私は「訴状を見てないのでコメントできない」と言った場合、心当たりがあるんだなと勝手に思っています。だって、心当たりないなら「そのような事実はない」と言えるはずですから。
裁判を見越して発言を控えているなら、不利な状況があるってことですからね。

まあ、それはさておき。

今後トヨタの販売力が落ちれば、このような下請けの突き上げを食らうことにもなりかねません。なにしろ、トヨタは契約を更新するたびに値下げを要求するともっぱらの評判ですし。まして奈良の件のように、後ろめたいことがあれば、次々と訴訟を起こされても仕方ないかもしれません。
奈良の件と同じような事実が浮かび上がれば、実質的な国内販売打数のうち何百台~何千台はヘタをすると下請けに対する強制購入(笑)だったりするわけで、となると実質トヨタの営業力によって販売できた台数とは差異が出てきます。
下請けに立場を利用して買わせるのも違法行為ですが、強制購入など販売台数の水増しに他ならず、そうなるとIR関係でもアウトになる可能性も出てくるんじゃないでしょうかね? よくわかりませんけど。

そもそも、このようなニュースが世に出てきている時点で、これまで盤石を誇ったトヨタの対マスコミ方策にほころびが出始めたということと言えます。
広告費がもらえなくなった途端にトヨタの悪口を言いふらすマスコミにも呆れたものですが、これまでスネにキズがあるぶん、トヨタもお金を出さない限り強気には出られないのではないでしょうか(つか、マスコミって弱みにたかるチンピラみたいだ)。

自動車の販売戦略にしても、徹底して「家族でミニバン」などと宣伝してはいましたが、そもそも若者の既婚率は下がる一方で、30代半ばのいいオッサンオバサンが余裕で独身という状況になりはじめています。
そもそも、家族を「作れない」理由も、企業経済優先策で「選ばれし者」のみが幸せになれるという、富の再分配もへったくれもない社会に仕上げてしまったせいです。それ以前に、バブル崩壊後に適切な手を打てず、景気低迷にくさびを打ち込めなかった政府の無策もあるのでしょうが、ともあれ当時の若者の大半は廃れた社会の犠牲者となったわけです。

結局、老人達が若者に背負わせた荷物が大きすぎて、結果このような世の中になってしまったとも言えます。その老人達が「クルマが売れない」「カメラが売れない」などと嘆いたとしても、10年前の自分たちの行いを振り返れとしか言いようがありません。

そんな社会情勢も見ず、世帯持ちにミニバンでアピールしたところで、思ったよりも小さかったパイを国内メーカーが奪い合うという壮絶な競争しか生み出さなかった。
そんな状況下、独身者や若者にアピールできるようなクーペやスポーツカーなどは、どんなマーケティングの結果なのか「売れないw」と決めつけて全ライン撤廃するなど、愉快なマネをしたのはトヨタ一社のみです。
よほど自社のコンパクトやミニバン、セダンによほど自信があったのかもしれませんが、結果は「ごらんの有様だよ」
今になって世界一、二位の自動車メーカーとしてはお粗末すぎる状況になりつつあります。
そもそも、「ドキッ! ミニバンだらけのラインナップ」な状況には、心ある自動車評論家諸氏は控えめながらも警鐘を鳴らしていたはずですが、まあ、なんというか、うぬぼれていたのか分かりませんね。専門家の意見より、目先の市場を優先してしまったようです。

トヨタ的には若者はスポーツカーよりヴィッツに乗れと言いたかったのかもしれませんが、ただ転がすユーテリティツールとしては軽自動車の方が安価で便利なので、そのもくろみも外れてしまったようです。当たり前だわな。

毎回言ってるようですが、トヨタのマーケッターて本格的にバカなんじゃないですかね? 他人事ですが脳検査をしたほうがいいのではないかと心配してしまいます。

とまぁ、自分の身に火の粉がふかからなければ、この不景気、なかなか世の中を楽しくしてくれているようです。

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